日頃より弊社取扱の低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌装置をご愛用頂きありがとうございます。
LTSF滅菌の急激な普及に伴い、LTSF滅菌工程完了後の「被滅菌物の残留性」についてお問い合わせをいただく機会が増えて参りました。LTSF滅菌は、「密閉方式の滅菌器で、滅菌対象器具を滅菌後に取り出す際にホルムアルデヒドが残存しない状態になっているもの」に該当するために、特定化学物質障害予防規則(特化則)の適用を受けません。
日本工業出版株式会社から刊行されております。クリーンテクノロジー 2015年9月号に「LTSF滅菌のホルムアルデヒド残留性についての検証」大阪大学医学部附属病院 材料部副部長 齋藤篤先生の論文が掲載されていることをご紹介申し上げます。
「LTSF滅菌装置のホルムアルデヒド残留除去能力について検証を行った。滅菌物への付着量、作業環境、排水環境について調査し、いずれも問題となる数値ではなかった。」
と、ご報告がなされております。
この論文は2014年11月12日に東京ビッグサイトで開催された第43回 日本医療福祉設備学会における学術講演で発表された内容に基づき執筆がなされております。
大変貴重な論文ですが、クリーンテクノロジー誌は医療分野に限定した書籍でないために、一般的な文献検索サイトで検索できない場合がございます。恐れ入りますが、日本工業出版社のサイトから論文をご入手ください。
また、2016年の第91回日本医療機器学会大会 学術集会においても「LTSF滅菌による被滅菌物へのホルムアルデヒド残留性の検討」の演題により、東京医科歯科大学医学部附属病院 材料部副部長 久保田英雄先生よりご発表がございました。抄録には「EN14180により定義された擬似滅菌物は、いずれも残留限界値を下回った。」とのご報告が掲載されております。
こちらの抄録はメディカルオンラインより入手可能でございます。
低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌は、なぜ残留毒性が無いのか?のメカニズムにつきましては、日本感染管理支援協会から発行されております、「滅菌ハンドブック」にてスチームウォッシュ工程の詳細な記述がございます。
低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌は、滅菌保証のガイドライン2015に掲載されてからまだ3年しか経っていない言わば「新参者の滅菌方法」ですので、まだまだ情報が少ないかと思います。今後も学会・研究会の講演活動など、本滅菌方法の認知度を上げる活動を継続して行って参ります。引き続き弊社製品をご愛顧賜りますようお願い申し上げます。